2021年より国際大会で使用開始と見られている人工羽根によるシャトルコック。
新型コロナウイルスの影響のため東京オリンピックが2021年に延期されており、2021年の人工シャトル導入は延期されるのではないかとの見方が多数のようです。BWFからの発表はまだありませんが。
もし東京オリンピックで人工シャトルが導入されるとすると、気になるのがプレーへの影響です。
人工シャトルによるプレーへの影響
ミズノの人工シャトルの紹介記事でも述べましたが、天然の水鳥シャトルに比べて人工シャトルは若干スマッシュが伸びる傾向にあるようです。
インドのサイプラニースやマレーシアのコーチを務めていたラシード・シデック(Rashid Sidek)らは、「人工シャトルは、攻撃的なプレーをするプレイヤーに有利に働くだろう」と述べています。
ラシード
人工シャトルは攻撃的なプレイヤーにとって恩恵になる。だから(マレーシアの)リー・ジジャのような選手はアドバンテージを得るだろう。
(台湾の)周天成や(デンマークの)ビクター・アクセルセンも攻撃的なプレイヤーだ。彼らが波乱を起こすかもしれない。
サイ・プラニース
バドミントンの質は下がってしまうだろう。人工シャトルはコントロールできないし、人工シャトルでは沢山のストロークを打つことが出来ない。攻撃的な選手に有利に働くだろう。
人工シャトルに慣れるには沢山の練習が必要だ。
東京オリンピックでの影響は?
仮に、もし人工シャトル2021年のが東京オリンピックで導入されたとすると、東京オリンピックで金メダルを狙う桃田選手にとっては苦しい展開が続くと見られています。
ラシード
日本の桃田は素晴らしい技術を持っている。試合では相手を翻弄するようなプレーを好んでいる。
しかし、彼は攻撃的なプレースタイルではないから、人工シャトルが導入された場合は今のようにいかなくなるだろう。
桃田選手はディフェンス主体で試合を展開していくプレースタイルを現在は取っているため、スマッシュ速度が速い傾向の人工シャトルが導入されると今のように試合をすすめるのが難しくなるというわけです。
11点5セットゲームの導入でも同様のことが指摘されていました。
ただ、Covid-19の影響で、全くバドミントンの大会が開催されていない状況を考えると、2021年からの導入はおそらく無いと思われます。流石に急な導入になりますからね。
1〜2年ほどかけて、いろいろな大会で人工シャトルを導入していき、世界選手権やオリンピックなどのビッグイベントでは、選手が人工シャトルに慣れたタイミングで導入すべきでしょう。
急に人工シャトルを導入してスマッシュ1発でラリーが終わってしまうような展開が増えると、サイ・プラニースが述べているようにバドミントンの質が下がってしまうでしょう。見ていて面白くないですからね。バドミントンの持続可能性のために人工シャトルを導入したのに、バドミントンの人気が下がってしまうようなことがあれば、それは本末転倒です。また徐々に時間を掛けて導入していくことで、その間に人工シャトルの製造技術が上がり、より天然シャトルに近い感覚でプレーすることが出来るようになるかもしれません。
人工シャトル導入は、バドミントンの未来を考えると必要なことですが、桃田選手のファンとしては、東京オリンピックでの導入はやめて欲しいというのが正直なところです。
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