11点5セットマッチは選手にどのような影響を与える?

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image ©Murray Foubister(Licensed under CC BY 4.0)
先日、世界バドミントン連盟(BWF)が現在の21点3ゲーム制を11点5セットへの変更を検討しているという記事を紹介しました。

仮にこの変更があり得るとしても、導入自体はまだ先でしょう。ですが、11点5セットマッチだとデンマークのアクセルセン選手のように攻撃主体の選手にとっては有利に、逆に桃田選手のようにディフェンス主体の選手には不利な変更になるんじゃないか、と見られています。

この記事では導入が検討されている11点5セットのシステムと、どのように選手に影響を与えるかについて紹介していきます!

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バドミントンの点数制度って?

その名の通り、1セットを11点選手のラリーポイント制で行い、5セットの内3セットを先取したほうが勝つというシステムです。現在行われているバドミントンの試合は、21点×3セットで行われています。これは2006年にバドミントンにラリーポイント制が導入されて以来の点数方式です。

国内の試合を始めとして、世界選手権やオリンピックなどの国際大会は全て21点3セットの形式で運営されています。21点3セットマッチでは、細かい点を除けば21点を先に取った方がセットを取り、3セットの内2セットを先取した方が勝つ、というルールです。

バドミントンの試合は21点3セットの形式で行われる。3セット先取した選手側の勝ち
しかし、試合運営しているBWF的にはちょっと面白くない点があって、
  • 試合時間が長くなるので、テレビ放映をしにくい
  • 試合序盤は体力温存で様子見のプレーが多くなり、あまり面白くない

どうもこの2点を改善したいと思っているようです。

たしかに、現行の21点3セットだと、1セットあたり20〜30分ほどかかるため、1試合だと1時間〜1時間半ほどの試合になってしまいます。

また、試合序盤では確かにゆっくりとしたラリーが多くなりがちなのも事実です。

そこで、この21点3セット制を廃止して、試合時間が短く最初からスピード感のある試合展開にしたいというのがBWFの目論見みたいです。

11点5セットマッチの実績

そういう経緯があり、BWFは2014年ごろから11点5セットの可能性を模索していました。

21点マッチのシステムでは、20点で同点になった時に、2点差がつくまでセットを続けるというルールがあります。テニスのデュースと同じです。11点システムでは、試合時間を短縮するために10点で同点になっても次に11点が入ればそのセットは終わりということになっています。

Super1000などのグレードの高い試合では行われていませんが、下位ランクの大会で試験的に11点5セットが導入されるなど色々あったみたいですが、結局導入は見送られました。

BWFが開催する以外の試合では、マレーシアのバドミントンリーグであるパープルリーグで11点マッチが導入されています。こちらの試合の様子はYouTubeでも見ることが出来ますね。

11点5セットマッチが与える影響は?

プレースタイルによって有利・不利が別れる

さて、バドミントンのスコアシステムについて見たところで、この記事の本題です。

すでに述べたように、11点セットでは試合時間が短くなります。そのため、試合終盤に向けて体力を残しておく重要性が低くなり、序盤から積極的に攻撃を仕掛けていくことが出来るようになります。

なので、ビクター・アクセルセン選手のように攻撃力の高い選手は、最初からガシガシ攻めることが出来るようになり、その分勝ちやすくなるんじゃないかと考えられています。

一方で、桃田選手のようにディフェンスや長いラリーで相手の体力を削っていくようなスタイルの選手は、防戦に回ることが増えるためやや不利になるのではないかと見られています。

また、11点を取った次点でそのセットが終わってしまうため、下位ランクの選手が、桃田選手に買ってしまうといった波乱も起きやすくなります。桃田選手は特にセット終盤にかけて調子を上げてくるタイプなので、序盤で点差を付けられると厳しくなりますよね。

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今の世界ランキングは21点3セットマッチでの実力を表したものなので、11点5セットが導入されるとその勢力図ががらっと変わりそうです。そして、一番影響を受けるのが女子シングルスでしょう。現在女子シングルスでは奥原選手や山口選手など小柄な選手でも活躍していますが、11点5セットが導入されると今まで以上に攻撃のシーンが増えてきます。そうなってくると、攻撃力のあるスペインのマリーン選手などにこれまで以上に苦戦するのではないでしょうか。

21点3セットのバドミントンと11点5セットのバドミントンはもはや別物になるでしょう。

選手の故障リスクを減らす

しかしながら試合時間が短くなる分、選手にとっては怪我のリスクが減るというメリットもあります。現在の21点制では試合時間が1時間ほどになっており、また世界大会が高頻度で開催されています。マレーシアオープンとインドネシアオープンが連続して開催されるなど、選手の負担はかなりのものです。だいたい大会は火曜日か水曜日あたりから開催されるので、前の大会で決勝戦まで進むと休めるのが月曜日だけになるというハードスケジュールです。

選手の故障のリスクを下げるという点では、11点5セットの導入はメリットですよね。

あと、ベテラン選手が長く活躍できる可能性がありますよね。バドミトンは体力的に非常にキツイ競技なので、世界の一線で活躍できるのは30歳前後までと言われています。11点5セットでは底まで体力を必要としなくなるため、30歳を過ぎた選手も長く活躍出来るようになりそうです。

試合の見応えは?

11点5セットシステムでは、序盤から攻撃的な展開が増えスピーディな試合展開が多くなると思います。

しかし、現行システムのように試合終盤のギリギリのラリーやスーパープレーの応酬は見れなくなりそうです。ラリー自体は攻撃的な展開があったとしても、試合全体では逆に淡白な展開になるかもしれませんね。とくに2019年スーパーシリーズファイナルズの決勝のような展開は起きないでしょう。

また試合時間が短くなってしまうため、観客にとってはちょっと物足りなく感じるでしょう笑

まとめ

一度導入が見送られた11点5セット制ですが、再び導入の可能性が浮上するなど今後のバドミントン界に大きな影響を与える存在です。

選手のプレースタイルによっては有利になったり不利になったりしそうなシステムですが、一体どうなるのでしょうか。

新しい情報が入ったらまたシェアしたいと思います!

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