【全英OP2021レビュー】桃田 vs. リー・ジジャ戦

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バド分析
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2021年3月21日に全日程が終了した2021年の全英オープン。男子シングルス準決勝の桃田とリー・ジジャの一戦の感想です。

この試合は、マレーシアのリー・ジジャが桃田を21-16、21-19のストレートで破る金星を挙げました。二人の対戦成績は全英OP以前に5戦あって、全て桃田が勝っていましたが、今回はリー・ジジャが初勝利を挙げたことになります。

2セット目は21-19で競った内容で、見ごたえのある試合でした。桃田が国際試合にでたのも久しぶりだったので、楽しんで観戦できました。

試合の感想ですが、まず何故リー・ジジャが勝てたのかというところから話していきたいと思います。

 

リー・ジジャのタグが付いた記事はこちらから!

 

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リー・ジジャが桃田に勝てた理由は?

色々な要因はあると思いますが、一番大きいのはアグレッシブな攻撃が得点につながったからだと思います。

今回の試合や大会を通してですが、リー・ジジャはネット前でスピンを切ってロブを上げさせて、上がってきたロブをスマッシュで決めるという得点パターンが多く見られました。プレースタイル的には、インドネシアのギンティンや若いころのリンダンによく似ています。

 

リー・ジジャはオーバーヘッドのショットが強力で、スマッシュやカットスマッシュなどいろんな攻撃パターンを持っています。ちょっとでもロブやクリアが甘くきたら、一発でラリーの主導権を握れるようなショットなんですよね。今回の試合は、特に試合序盤~2セット目序盤にノータッチのスマッシュが良く決まっていました。この部分が勝因として一番大きいと思います。

 

またネット前でのプレーも非常に良かったですね。スピンの良くかかった厳しいヘアピンやポジショニングで桃田に甘いロブを上げさせることに成功していました。ヘアピン勝負になったときも自信をもって返球をしていました。積極的にネット前の勝負を仕掛けた結果、ネット前の攻防を制し引いてはラリーの主導権を握ることにつながったと思います。この辺は2016年のリオ決勝で、チェンロンがリー・チョンウェイに勝ったときと似ているなあと思いました。バドミントンには「ネットを制する者は世界を制す」という言葉がありますが、まさにそんな試合でした。

 

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桃田が負けた理由は?

今度は桃田が負けた理由について考えてみます。もちろんこれも色々な要因があると思いますが、僕としては久しぶりの試合で試合勘が鈍っていた。これに尽きると思います。

 

リー・ジジャの勝因で「スマッシュが良く決まった」と書きましたが、桃田側からすると「スマッシュを決められるような配球をしてしまった」ということです。具体的には、ロブの精度が去年よりも悪かったのが原因です。

 

2019年まで桃田は世界で勝ちまくっていて守備が凄いという見方が多かったのですが、僕は守備力も然ることながらロブの精度が桁違いに良いことが桃田の凄さだと思っています。もちろん守備力も世界でトップクラスですが。

 

桃田のロブの特徴として、

  • コートのバックラインぎりぎりまで返球できる
  • 相手は桃田のヘアピンを警戒するため、強力なスマッシュが打てるほど十分な体勢で後ろまで下がれない

があります。たとえスマッシュが打てたとしても、かなり無理な体勢でのショットですから、コースが絞れレシーブがしやすいというわけです。ディフェンス中心のプレーで勝ちまくっていたのは子のロブがあったからだと思います。スマッシュを打たせて、それを狙って得点していた形です。

 

今回の試合では、相手の積極的なヘアピンショットを受けて消極的になり、ロブが甘くなるシーンが多かったです。これが今回の敗因でしょう。

 

他にメンタル的な部分での敗因を上げるとしたら、無観客での試合というのも少なからず影響していると思います。桃田はインタビューで「ファンへの感謝」や「自分のプレーを見てもらいたい」という発言をよくします。そのような精神状態で試合に臨んでいるとすると、観客からの応援が直接ない場合は、大事な場面で踏ん張りがきかなかったり、普段よりも弱気な試合運びになる可能性は考えられます。もし東京五輪が無観客で開催されることになったら、この点は桃田にとっては逆風になるかもしれません。

 

今後の展望

リー・ジジャは昨年ごろからリー・チョンウェイの後継者として注目されていましたが、今回の全英OPで世界のトップ入りを果たしたといえます。

 

リー・ジジャは現在22歳と桃田やアクセルセンよりも4~5歳年下です。若手世代のトップとして桃田、アクセルセン、ギンティンたちとバチバチのライバルになっていくでしょう。

 

また桃田ですが、けがの影響やコロナの影響は殆どなくて、試合勘を取り戻していけば元のレベルに戻ってくると思っています。技術面、体力面での変化はほぼなさそうです。現に、今回の試合でも2セット目の後半15-15あたりからは、桃田らしいラリーが取り戻せていたように思います。

 

では今回はこの辺で。他の試合の感想も随時アップしていくので、そちらも読んでいただけたりコメントいただけると嬉しいです!

2021年の全英オープンに関する記事はこちらから!

 

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