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驚くべきニュースです。
2020年1月末ごろに、世界バドミントン連盟(BWF)が2021年より現在の水鳥で作られたシャトルでの他に、人工的に作られたシャトルで国際試合を行うことを認可したようです。
2021年からは人工シャトルでも試合が開催される
現在行われているバドミントンの試合は、私が知ってる限りでは水鳥の羽を使用したシャトルコックで行われています。
現在使われているようなシャトルを天然シャトルと呼ぶことにしましょう。天然シャトルは消耗が激しく、また水鳥から作られるということもあり、環境負荷が高くなってしまいます。BWFは、バドミントンが与える環境的な影響を考え、これからバドミントンが長く発展していくことを踏まえた上で、今後は天然シャトル以外に人工的に作られたシャトルも使用していくことを決定したようです。
使用が認められるのは2021年以降の試合からのようです。
ただ正確な時期はわかりませんが、オリンピックが2021年に延期された影響を考えると、人工シャトルが使われるようになるのは2022年以降になるかもしれません。
これについては、情報が入り次第また共有したいと思います。
2022年にはバドミントン世界選手権が東京で開催される予定ですが、もしかするとこの大会では人工シャトルが使われているかもしれませんね!
人工シャトルでの試合は試験済み
BWFは人工シャトルの開発をヨネックスと協同して行っていたみたいです。
いくつもの開発段階をヨネックスとBWFとで経た後に、2019年に開催されたBWF認可のいくつかの大会で人工シャトルが試験的に使用されました。
人工シャトルに対する意見としては
- 耐久性が良くなった
- 経済的にも良くなった
- 天然シャトルに比べて飛行性能がほとんど同じ
と結構いい感じだったみたいです。さすがヨネックスですね!
また、シャトルの使用量が天然シャトルに比べて25%ほど削減されたたそうです。
これだと相当な環境負荷を減らすことができそうです。
以上の試験的導入を踏まえた上で、BWFは最終的に人工シャトルの使用認可を出しました。
人工シャトル開催での行方は?
人工シャトルの使用は2021年からOKになりますが、人工シャトルでの試合が浸透するには数年の期間がかかると見られています。
世界中の試合で使用するとなると、大量生産するための設備が必要になるため、天然シャトル全てに取って代わるまでには時間がかかるだろうという見込みです。
なので、各大会でいつから人工シャトルを使い始めるかはそれぞれの主催者がシャトルの提供スポンサーと相談した上で決定することになります。
ヨネックスはすでに認可済みの人工シャトルがあるため、量産体制が整い次第、ヨネックスがスポンサーをしている大会は人工シャトルでの試合開催に以降しそうです。
全英オープンや世界選手権など、人工シャトルで開催される日は近いでしょう。
また、BWFはシャトルの認可基準について今後更新をしていくそうです。人工シャトルと天然シャトルの間で技術的に異なる点は必ず生じますが、それを許容できるような承認プロセスになっていくそうです。
「それって大丈夫なの?」と思うかもしれませんが、人工シャトルと天然シャトルは飛行性能や競技特性は非常によく似ていて、細かい技術的な違いが人工シャトルの導入に影響を与えないことは確かみたいです。
人工シャトルに関してBWFの意見は?
BWFのトーマス・ランドは次のように語っています。
ビジョンとしては、バドミントンの長期的持続性を確保することと、天然素材に依存せずにシャトルを使用していくことだ。
ヨネックスの人工シャトルの試験に参加した何人かの一流選手から聞いた話だが、選手たちは人工・天然シャトルの微妙な違いに素早く順応できたそうだし、シャトルのパフォーマンスに関しては良いニュースだ。
このプロジェクトの結果にはワクワクしているし、人工シャトルが更に使われるようになることを楽しみにしている。過去5年に渡るヨネックスのハードワーク、革新的な歯垢、そして献身的な活動に感謝の意を表したい。
2021年以降、人工シャトルがより広く受け入れられ使用されることになると信じている。
さらに、人工シャトルはバドミントンの今後の成長のためになると強く信じており、選手を始めとするバドミントン関係者から強い支持を得られることを期待している。
BWFとしては、上々の結果のようです。
BWは今後もバドミントンを世界的なスポーツにしたいと考えているみたいで、天然シャトルが与える環境への影響は目下の課題だったみたいです。それが人工シャトルによって解決できそうとなると、バドミントンのさらなる普及に向け一歩前進したことになります。BWFが喜ぶのも納得です。
人工シャトルに関して選手たちの意見は?
オリンピックチャンネルに、人工シャトルに関するトップ選手の意見がまとめられていたので紹介します。
動画はこちらから。
ビクター・アクセルセン(デンマーク、男子シングルス)
人工シャトルを使うアイデアには賛成だ。
ただ、普通のシャトルの飛び方を考えると、シャトルの人工バージョンを作るというのは凄く難しいことになると思う。
どうなるか様子を見てみよう。
プサルラ・V・シンドゥ(インド、女子シングルス)
今私達が使っている普通のシャトルと比べて、試合は少しだけ違ったものになると思う。
試合やルールは変わり続けるものだと思うし、それに慣れていく必要がある。
「いや、人工シャトルでプレーしたくないよ」みたいな文句はないですよ。
人工シャトルが使われるようになったら、全ての選手が体験することになるでしょう。
モハマド・アッサン(インドネシア、男子ダブルス)
人工シャトルの打球感や感触は確実に違ったものになるだろうけど、時間をかければ慣れると思う。
まとめ
2021年からはBWF認可の大会でも人工シャトルが使用できることになりました。
今後、各シャトルメーカーから人工シャトルに関しての発表があるのではないでしょうか。
個人的には、人工シャトルを使うことには賛成しています。全てのシャトルを水鳥の羽から作るというのはやっぱり無理があると思うので、今後人工シャトルが普及すると良いなと思っています。
一番の懸念事項は人工シャトルと天然シャトルの飛び方の違いだったり打球感の違いだったりですが、それもヨネックスのおかげでクリアできてそうですし、人工シャトルが一般的になりそうです。
経済的にも嬉しいですしね!笑
水鳥の天然シャトルが歴史上の産物になる日も遠くないかもしれません。
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