トマスカップのルール&歴史についてまとめてみた!

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豆知識
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Photo: Wiiii (Licence Under  GNU Free Documentation License Version 1.2 or later)
こんにちは!管理人のshuttlerです。

今回は、バドミントンの国際大会の一つであるトマスカップについて紹介していきたいと思います!

トマスカップってどんな大会なんだろう?

トマスカップってどんなルールなんだろう?

トマスカップでの日本の成績ってどうなんだろう?

 

トマスカップのまとまった説明ってあまりないんですよね。この記事では、トマスカップについて色々と解説をしていきます!

記事の前半ではトマスカップの歴史やルールについて解説して、記事の後半でトマスカップでの日本の成績についてまとめてあります。

ぜひ最後までご覧ください。

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トマスカップってどんな大会?

まずはトマスカップがどんな大会なのかから見ていきましょう!

ちなみに日本ではトマスカップのことをトマス杯と呼ぶこともあります。この記事ではトマスカップの名称を使って説明していきますね。

トマスカップは国別対抗団体戦!

バドミントンの大会ってほとんどが個人戦で開催されています。

オリンピックや世界選手権も個人戦ですし、国内最高峰の大会である全日本総合選手権も個人戦です。

しかし、バドミントンにも団体戦があります。シングルスとダブルスの試合を複数回行って勝敗を決めるんですね。

高校生の大会で行われる団体戦では、シングルス3試合とダブルス2試合の合計5試合でチーム同士の勝敗を決めます。

市民大会で行われる団体戦だと、ダブルスだけで3試合を行って、それで勝敗を決めるなんてルールもありますね。シングルス・ダブルスを何試合ずつ行うかは大会によって変わってきます。

国内の団体戦で一番格式が高いのが、実業団選手で争われるS/Jリーグです。S/Jリーグはシングルス1試合とダブルス2試合で行われます。S/Jリーグで優勝したチームが日本1のバドミントンチームというわけです。

トマスカップは、国ごとに選出された男子選手で結成されたチーム同士で争う、国別対抗団体戦です。

団体戦に勝つには、シングルスもダブルスもバランス良く強くなければいけません。

トマスカップで優勝したチーム=国は、世界一のバドミントン強豪国の称号を得ることが出来るんですね。

ちなみに、女子選手からなるチームで争われる国別対抗団体戦もあって、こちらはユーバーカップと呼ばれています。ユーバーカップのルールや歴史についても別の記事でまとめていこうと思います。

トマスカップのルール

トマスカップは毎年開催されるわけではなく、2年毎に開催されています。現在は偶数の年(2018年、2020年、2022年…)に開催されるようになっています。

トマスカップはシングルス3試合とダブルス2試合の合計5試合で勝敗を決します。試合の順番は8パターンあるのですが、一番オーソドックスな「第1シングルス→第1ダブルス→第2シングルス→第2ダブルス→第3シングルス」の順番に行われることがほとんどです。

1チームあたりの構成人数は4人以上10人以下と定められています。

1回の団体戦で一人の選手がシングルス・ダブルスの2試合に出場することも可能です。まあ、ふつうは無いですが…笑

誰がどの順番で試合に出場するかは、世界ランキングによって決まります。シングルスに出場する3人の選手の内、一番世界ランキングが高い選手が第一シングルス、その次にランキングが高い選手が第2シングルス…のように決まっていきます。もし世界ランキングに登録されていない選手が出場する場合は、その人の強さによって試合順が決まります。なので、強い選手を第3シングルスとかに出場させるというオーダー作戦はトマスカップでは出来ません。

ダブルスはペアの組み換えも考慮しなければいけません。基本的にシングルスと同じで出場するペアのランクでどの試合に出るかが決まります。もしペアを組み替えて試合に出場する場合は、ペアの強さによって出場順位が決まるわけですね。

世界クラスになるとペア替えはあまりないですが、2018年のトマスカップ決勝、日本対中国の試合で第2ダブルスには園田啓悟と渡辺勇太のペアで出場していました。

トマスカップ予選

トマスカップに出場できるのは、世界で16ヶ国までです。

トマスカップに出場するには、各地域ごとに行われる予選を勝ち抜く必要があります。

サッカーのワールドカップのようにアジア地区予選を突破しないとW杯本戦に出場できないのと同じですね。

トマスカップに出場できる16ヶ国は次のように決まります。

  • 前回大会の優勝国
  • その年の大会開催国
  • アジア地区の上位4ヶ国
  • ヨーロッパ地区の上位4ヶ国
  • アフリカ、オセアニア、パンアメリカ地区のそれぞれ1位の国
  • 上位13ヶ国以外で、世界ランキングから算出した国別ランキングの上位3ヶ国

Image: Bromalayan (Licenced by CC 4.0)

赤色がアジア地区、黄色がヨーロッパ地区、紫がオセアニア地区、緑がアフリカ地区、青がパンアメリカ地区です。

この中でもアジア地区はかなりの激戦区で、日本、中国、韓国、マレーシア、インドネシアなどの強豪国がひしめき合っています。その中で上位4に入るのは中々大変です。

各予選も団体戦の形式で行われます。アジア国別団体戦などが開催されていますよね。それがトマスカップの予選になっているわけです。

トマスカップ・ファイナルズ

晴れて予選を突破した16ヶ国は、トマスカップの本戦に出場することが出来ます。

本戦は、トマスカップ・ファイナルズと呼ばれていますね。

トマスカップ・ファイナルズでは、まず4ヶ国ずつ4つのグループに分かれてグループ予選を戦い抜きます。

予選グループのグループ分けは、チームごとの世界ランキングとくじ引きによって決まります。

出場国の内、国別ランキングが1位と2位の国がそれぞれグループAとグループDにわけられます。ランキングが3位以下の国はくじ引きでグループが決められます。

グループリーグでは、試合の結果で上位2ヶ国が決勝トーナメントに進出することが出来ます。4グループあるので、全8ヶ国で決勝トーナメントを争うわけですね。

トーナメントの決め方は、予選リーグでの成績とくじ引きで決まります。

各グループ1位で通過した4ヶ国は、シード扱いになります。どの国が第何シードになるかは、国別ランキングの順番によって決まります。4カ国の内、一番ランキングの高い国が第1シードになるわけですね。

グループリーグを2位で通過した4ヶ国は、くじ引きによってトーナメントのドローが決まります。

トマスカップの歴史!

最初のトマスカップ

トマスカップが初めて開催されたのは1949年と今から70年近く前のことです。

バドミントン、テニス、そしてチェスプレイヤーだったイギリスのジョージ・アラン・トマス卿の発案がきっかけです。トマス卿はテニスのデビスカップとサッカーのワールドカップから、バドミントンの国別対抗戦を思いついたのです。

元々は1941年から1942年にかけて開催される予定でしたが、第二次世界大戦の勃発により開催延期。

結局発案から10年ほど余り経ってから初めてバドミントンの国別対抗戦が実現したのです。初開催の参加国はアメリカ、マレー連邦、デンマークの3ヶ国。3ヶ国総当りで試合が行われ、1回の団体戦で9個の試合があり、団体戦に勝利するには5勝を挙げる必要がありました。試合が9個もあったため、2日に分けて試合が行われていたそうです。

トマスカップの初代王者にはマレー連邦が輝きました

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トマスカップの優勝トロフィーはトマス卿によって寄贈されたものが現在も使われています。ロンドンのアトキン・ブラザーズというシルバースミスを製造していた会社で製造されたトロフィーです。

トロフィーの頂点にバドミントン選手のフィギュアが付いているのが有名ですよね。

トマスカップの発展

トマスカップが1949年に初めて開催されてから、1982年までは3年おきに開催されていました。

第一回の東京オリンピックが開催された1964年には東京でトマスカップが開催されていたんですよ。

トマスカップの優勝国は、1949年の第一回大会から第11回大会までマレー連邦かインドネシアのいずれかが勝利していました。

1982年には、中国が国際バドミントン連盟(IBF、現在のBWFの前身)に加盟したことで、同年のトマスカップより参戦してきます。そしてなんと中国は初参加でインドネシアを5-4で破り優勝。2018年大会までで中国は合計で10回の優勝を成し遂げています。

1984年からは、トマスカップとユーバーカップが同時かつ同会場で開催されるようになります。またそれまで3年おきの開催だったトマスカップは2年毎に開催されるよう見直しがなされます。1984年大会からは試合数が9試合から5試合に変更され、現在のトマスカップのように試合は1日で行われるようになります。

現在のように予選を勝ち抜いた16ヶ国でトマスカップ・ファイナルを争う形式になったのは2014年からです。従来のシステムでは試合数が多くなりすぎると言ったことが原因で試合方式が変更になりました。

トマスカップでの日本の成績は?

日本がトマスカップに初めて出場したのは1964年の東京大会でした。

東京大会の参加国は日本、タイ、マレー連邦、インドネシア、デンマークの5ヶ国のみで、日本は残念ながら1回戦のタイ戦で破れてしまいました。

それ以来ずっとトマスカップに出場している日本ですが、(参加国が多くなり予選が始まった1970年以降で)初めてベスト4に入ったのは2010年のクアランプール大会です。その次の2012年の武漢大会でもベスト4に入ります。

2000年代後半からは、すこーしずつではありますが、日本の実力が上がってきた時期ですね。世界で戦える選手が出てきた時期だったと思います。

そして、2014年のニューデリー大会。とうとう日本がトマスカップで初優勝を成し遂げます。

準決勝ではそれまで5連覇中だった中国を3-0のストレートで撃破。

決勝の対戦相手はリー・チョンウェイ擁するマレーシア。この試合、日本は3-2という6時間近くに及ぶ激戦を見事制し、史上初となるトマスカップ制覇を成し遂げたのでした。

トマスカップ初制覇の動画!

BWFの公式動画に対マレーシア戦の様子がアップロードされています。

第1シングルスは世界ランキング4位の田児賢一と同ランキング1位のリー・チョンウェイの試合。

プレッシャーのかかる初戦ですが、危なげない試合運びでリー・チョンウェイが貴重な先制点を上げます。

続く第1ダブルスは世界ランキング3位の早川賢一・遠藤大由ペアとサウスポーであるタン・ブンホンとホン・ティエン・ホウのペア。序盤は押され気味の日本ペアですが、2セットめから調子を上げていき、ギリギリのファイナルセットを制して1-1の同点に戻します。最後のラリーは必見ですね。

続く3試合目、第2シングルスは当時19歳の桃田賢斗とチョン・ウェイフェンの対決。トマスカップ決勝、同点出回ってきたという場面でも19歳とは思えない堂々とした試合運びで見事勝利。2-1と優勝に王手を掛けます。

2-1と日本リードで迎えた第4試合、日本の園田啓悟・嘉村健士と後にリオ五輪銀メダリストとなるゴー・V・シェムとタン・ウィ・キョンペアとの対戦。第1セットを逆転で取った日本ペアでしたが、その後は試合のリズムをうまく作れずに敗戦。非常に惜しい試合でしたが、2-2とマレーシアに同点に並ばれます。

 

そして運命の第5試合。日本は上田拓馬、マレーシアは2018年世界選手権銅となるダレン・リュウとの対戦。追いついたマレーシアが押せ押せムードの中、試合が始まります。歴史を掛けた戦い、非常にプレッシャーがかかりますが、見事第1セットは上田選手が奪取。第2セットも序盤から大きくリードを奪う展開を見せます。しかし、勝利への焦りからか、第2セット後半からミスが続き、このセットを逆転で奪われてしまいます。ここで集中を切らさなかったのが上田選手の素晴らしい所。見事第3セットを奪い返し、とうとう日本がトマスカップを制する瞬間が訪れたのでした。

5試合目は本当に素晴らしい試合でした。別の記事で是非また取り上げたいと思います!

まとめ

今回は

  • トマスカップのルール
  • トマスカップの歴史
  • トマスカップでの日本の活躍

についてお届けしました。この記事を呼んで、みなさんがトマスカップのことをもっと知ってくれたら嬉しいです!

女子の国別団体戦であるユーバーカップについてはこちらの記事で紹介しています!ぜひ合わせてお読みください。

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